復興と共に経済の循環を目指して 〜足掛かりとなる施策と有益な活用で前進へ〜

 元旦、能登半島で発生した震災の影響は非常に大きく、能登半島という地理的な要因やこれまでの人口動態からも今後の復興プランがどのようにすすめられるのか。いまだ、全容が掴みにくい状況にあり、これからの復興と共に経済の循環を好転させていくうえでも足掛かりとなるような施策の打ち出しを期待したい。福井までの北陸新幹線開通が目前に迫り、昨年からそのPRが積極的に進められてきた。観光産業を中心とする北陸エリアにおいては、経済活性の起爆剤としてアフターコロナを目指し着実にプラスに転じていく大きなチャンスであったはずだ。地震による被害からの復興は長期化の様相だが、先ずは金沢を起点に観光業を活性化させていく事が求められ、輪島と珠洲までをつなぐ大動脈となるインフラの再整備によって早急に推進することを期待したい。中間地点となる七尾近郊を含めた和倉温泉エリアも、甚大な被害状況のからどの程度の時間を要するのか明確ではないが、いち早く修繕が施され多くの観光客を呼び込んで欲しい。

 地震発生後すぐに緊急支援物資を送り込んだ一部民間企業、団体もあり、政府が補助する体制も一定程度機能しているが、十分とはいえず今後の対応、施策推進の動きが更に強まることが望まれる。

 これまでの経過から、不十分なライフライン復旧状況や原発の再稼働における更なる厳しい条件設定など、地震列島日本における地震対策そのものの脆弱性が問われており、度々頻発している地震や、不安視される南海トラフ地震に対しても、現状ではその後の対応が全く想像を絶する状況になることも指摘されているだけに、復旧・復興を最速で推進出来るよう対応することが必要である。

 漬物や佃煮業界においては、保存性の高い食品を扱うだけに、緊急支援物資としての位置づけを高め、有事の際は早急に供給可能な物資として利用頻度を高められるようにしたい。行政の支援策も順次発表されており、施策の多面的且つ有効に利用されることが望ましく、これまでの経験を最大限生かして欲しい。

 ともあれ、震災の発生から4週間が経過するが、断水の影響は大きく被災した旅館内の掃除をはじめ、酪農では牛の飲み水が不十分で間に合わない。この間も、降雪の影響から被災した家屋が雪の重みで損傷個所が更に増えていく。漁業の再開にも触れたが、寒ブリも豊漁から順調に水揚げされるも、製氷機が破損したために現在では金沢から冷却用の氷を輸送しているという。氷は水揚げされた魚の保存、鮮度管理には不可欠であるが、氷に限りがあるためにせっかく上がってきた寒ブリもすべて出荷できないという。様々な状況が報じられ、現在の状況が伝えられているが、現地ではそれら困難を乗り越えながら、対応にあたっている。難しい状況は今後も続くとみられており、その改善には依然時間を要すると考えられるが、現地を応援する多くの声と共に様々な関係団体、民間企業、自治体などの連携強化が欠かせない。

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